発がん物質 は身近な環境に潜んでいることをご存じでしょうか。がんを招く要因のなかには自分の努力ではどうにもならないものもあります。喫煙していないのに吸ってしまう「たばこの煙(受動喫煙)」はその代表格です。
そのほか、ごみを燃やした後に発生するダイオキシン、地球環境の悪化に伴う過剰の紫外線、自動車の排気ガスや工場からの大気汚染物質などがあります。これらは行政や世界レベルでないと対応できないものですが、発がんに関しては、もっとも身近な「たばこの煙による大気汚染」に比べてごくわずかです。
イタリアの工場爆発事故での高濃度のダオキシン曝露(ダイオキシンにさらされてしまう) 事故のほか、仕事で扱っていた化学物質にダイオキシンが混じっていて慢性的に曝露していた人たちなどを追跡し、どのような病気になったかを調査した研究報告があります。これによると、職業的に曝露した人たちにおける、ダイオキシンの血中濃度が普通の人の1000倍の場合、がんのリスクは1.4倍に上がっていました。
しかし、これより血中濃度の低い事故では、がんリスクは1.0倍と一般の人とほぼ同じでした。また、日本のごみ焼却場で起きたダイオキシン曝露事故では、被害者のなかでもっとも血中ダイオキシン濃度が高い人でもそれを100倍してやっと喫煙とほぼ同じリスクになります。
さらに、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)が問題視されていましたが、発がん性に限り、ヒトへの影響はそれほど大きくないと推測されています。
動物実験や野生生物のメス化などの影響は観察されていますが、実験動物とヒトでは、体の大きさ、寿命、遺伝子塩基配列の違いから発生するがんの種類も違います。
今のところ、ヒトにおける健康影響を示唆する信頼性の高いデータは存在していません。1996年のハーバード大の推計によると、環境汚染全般で米国のがん原因の2%程度とし、同推計でたばこは30%とされています。以上のことから、発がんのリスクに関しては、たばこがもっとも悪影響が大きいといえるのです。
発がん物質は身近な環境にも存在している
発がん物質は特別な場所だけにあるものではなく、私たちの身近な生活環境にも存在する可能性があります。ただし、すべての物質が必ずがんを引き起こすわけではなく、長期間の曝露や生活習慣など複数の要因が関係すると考えられています。
代表的な例として、たばこの煙には多くの有害物質が含まれており、強い発がん性が指摘されています。また、受動喫煙によって周囲の人にも影響が及ぶ可能性があります。
さらに、食品の加熱調理でも注意が必要な場合があります。肉や魚を高温で焼きすぎると、焦げ部分に有害物質が生成されることがあると報告されています。そのため、焼きすぎを避ける工夫が重要です。
また、塩分の多い食品や加工食品の過剰摂取、アルコールの過剰摂取なども、健康リスクを高める要因のひとつとして知られています。これらは日常生活の中で無意識に摂取していることも多いため注意が必要です。
一方で、野菜や果物に含まれるビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどは、体内の酸化ストレスを抑える働きが期待されています。こうした食品をバランスよく取り入れることが健康維持に役立つとされています。
重要なのは、特定の物質を避けるだけでなく、生活習慣全体を見直すことです。禁煙、節度ある飲酒、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠が基本となります。
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