サメの軟骨

全米でセンセイーションを起こした機能性食品

サメの軟骨がガン治療に効果的であるとして注目されたきっかけは、アメリカのあるニュース番組だった。その番組では、特集を組み、キューバ陸軍の医師グループがサメの軟骨を精製した粉末を29名の末期ガン患者に経口投与したところ、驚くべき結果が出ているということをレポートした。試験期間は16週間。
29名の患者のうち、4名は試験期間中に死亡、残った25名うち15名にサメの軟骨の効果が認められたと医師グループは報告している。

サメの軟骨

特に、痛みについての効果は顕著なものがあったという。なかには、医学的な常識から考えれば奇跡とも言えるような劇的な回復が見られた患者もいた。

前立腺ガンで歩くこともできなかった83歳の元ボクサーは数週間でジョギングできるまでに元気になった。
腹部に10kgの大きくて固いガンができて、胃が破裂して死亡する寸前の女性は、サメの軟骨を投与されて6週間でガンが柔らかくなり、16週間後にはガンが23%縮小していた。

1993年のことである。この報道をきっかけに、アメリカではサメの軟骨についての論議が広がった。やがて、サメの軟骨は日本にも上陸し、機能性食品として定着するようになるのである。

続々報告されるサメの軟骨の抗ガン効果

日本での状況をお話しする前に、外国で報告されているサメの軟骨のガンへの効果を紹介していきたい。

まず、メキシコのコントレラス病院では、末期ガン患者10人に、1日30gのサメの軟骨を投与したところ、七人のガンが30~100%縮小したと報告された。子宮ガンで子宮摘出手術を受けた50歳の女性は、脛にグレープフルーツ大の血管腫が残っていて、放射線治療などを行ったが出血が続き、まず回復は困難だろうと見られていた。
ところが、サメの軟骨を投与して7週間後にはガンは60%縮小して出血も止り、11週間後にはグレープフルーツ大のガンが小さなオレンジくらいの大きさにまでなった。

第三期の子宮ガンの女性(48歳) は、ガンが膀胱にも転移しており、放射線治療を行っても効果はなく、ひどい痛みに苦しんでいた。それが、サメの軟骨を投与して7週間でガンは80%縮小し、痛みもやわらいだ。そして11週間後にはガンは完全に消えて、痛みもなくなった。

32歳の第四期子宮ガンの女性は、尿路がふさがり強烈な痛みがある状態で、まず回復は不可能と見られていた。サメの軟骨を投与して7週間後、ガンが40%縮小、尿路も改善され、痛みもほとんど消えた。食欲も出て体重も増え始め、11週目にはガンが60%縮小した。こういった具合に、ガンが劇的に縮小し、末期ガンから生還している例が、いくつも確認されているのである。こうした臨床報告がなされるようになったのは、1990年代になってからだが、サメの軟骨の研究はその20年以上も前から行われていた。
その先駈けとされているのが、ハーバード大学医学部の博士の「ガン細胞の血管造成を止めればガン細胞の増殖は止まり、ガンは治療できる」という仮説だった。
それなら、具体的にはどうすればいいのか検討され、研究者が注目したのが、動物の軟骨だった。動物の軟骨には血管がない。なぜ、ないのか。何か、血管を作らない物質の作用があるはずだと研究者たちは考えたのである。
やがて、動物の軟骨には血管を作るのを抑制する作用があるという実験結果が出た。特に、子牛の軟骨がいいということがわかった。しかし、1頭の子牛からとれる軟骨の量などわずかなもので、臨床どころか、実験に使う量にも事欠くくらいである。

サメがガンになりにくい理由は軟骨成分によるもの

サメにはガンが非常に少ないということがわかっている。アフトラキシンという強い発ガン性を持つ化学物質を入れたプールのなかで飼育しても、サメはガンにならないのである。
8年間発ガン物質のプールで飼育したサメを解剖したが、ただの1個のガンも見つからなかったという。では、なぜサメはガンにならないのか、それを解明すればガン治療に大きな進歩をもたらすだろうと、何人もの研究者が考えた。
そして、行き着いた結論が軟骨だったのである。サメの生物学的な特徴として、体を支えているのはすべて軟骨だという点があげられる。
つまり、頭蓋骨も背骨もヒレもみんな軟骨でできている。また、サメの軟骨は子牛の軟骨よりも質が良く、血管を抑制する物質の抽出の効率が高いこともわかってきた。
そうした研究に注目したのが、栄養学者の博士だった。博士は、サメの軟骨の研究をアメリカ国立ガン研究所などに持ちかけたが、残念ながら耳を貸してもらえず、キューバに話を持ち込んだのである。キューバでは、旧ソ連との関係からチェルノブイリ原発事故によるガン患者をたくさん抱えていたこともあり、さらに博士が無料でサメの軟骨を提供するということもあって、臨床試験をすることに同意した。その結果が、最初に述べたニュースの報道につながっていくのである。
アメリカでも、キューバでの臨床試験の報告があった後、アメリカ食品医薬品局(FDA) が博士に対して治療実験のための研究補助金支給を正式に決め、薬品に準ずる申請を許可した。さらに、1994年には、治療実験薬として用いることができる許可も下りた。

サメの軟骨を取り入れた新免疫療法

日本でもサメの軟骨が新しい血管ができるのを抑制する作用に注目し、ガン治療に積極的に使っている医師が増えてきた。日本では、免疫力に着目し、ピシバニール、SPG、クレスチンといった免疫賦活剤を使った多剤免疫療法を完成させた。そして、この多剤免の軟骨、ビタミン剤を組み合わせた「新免疫療法」である。新免疫療法がどのように行われ、どのような効果を出しているのか、実際の例で紹介したい。

平成8年にご主人とアメリカ旅行中に下腹部にズーンとくる痛みを感じた。お目出たかもしれないと、帰国してから産婦人科へ行くが、結果はマイナスだった。しばらくして、彼女は職場で急な腹痛に襲われ、動けなくなってしまう。大学病院へ運ばれ、検査を受けたが、緊急を要するということで、左の卵巣を摘出する手術を受けた。その時点で、卵巣嚢腫が握り拳大に腫れて破裂していたため、ガンをきれいに取り除くことができなかった。病院としては、子宮の全摘手術と骨盤リンパ節の手術をしたかったようだが、S子さんはこれを拒否した。
病院とさまざまなやり取りがあったようで、一時は手術を受けようと決めたこともあったという。しかし、ご主人と相談して、手術の1週間前に「やめます」と断わったそうだ。手術を断わったけれどもどういう治療をしようか。彼女の試行錯誤の日々が始まった。
そんなある日、彼女は薬局でサメの軟骨と出会つたのである。特別な理由があったわけではなかったが、何となく気になって手にした。
本屋でサメの軟骨についての本を買い、いろいろと勉強もした。そして、本で知った新免疫療法を頼って、医師を訪ねたのである。CA125 という腫瘍マーカー( 正常値35以下) で、S子さんの状態の変化を追っていくと、新免疫療法を始めてわずか1ヶ月~1ヶ月半で正常値で安定するようになった。

ガンが栄養を補給するための血管を作らせない

サメの軟骨の効果のポイントは、新しく血管ができるのを防ぐ作用(新生血管阻害作用) にある。
ガン細胞は、大きさが1~2立方ミリメートルの大きさになると、新生血管増生因子というものを出す。そして、ガン細胞が栄養を取り入れるためのガン専用の血管を作ってしまうのである。ガン専用の血管は、近くの血管とつながり、そこから栄養と酸素を補給する。この新生血管は、普通らせんの血管と違って螺旋状に渦を巻いているため、血液をどんどんと引っ張り込んでくる。
そして、その栄養によってガン細胞は増殖していくのである。この栄養補給路を断ってしまうことがガン細胞をやっつけるポイントとなる。つまり、新生血管を作らせないようにするのである。
サメの軟骨に含まれる血管を作るのを抑える物質。それがムコ多糖と呼ばれている物質である。ムコ多糖は、新生血管を作らせない作用のほかにも、免疫機能を向上させ、炎症を防ぐ作用があることが確認されている。
サメの軟骨は、ガンだけでなく、関節炎やリウマチの痛みを抑えることもよく知られている。
リウマチの痛みの原因の一つとして、毛細血管の異常な成長があげられる。毛細血管が無秩序に増えていき、軟骨に入り込んで軟骨を破壊し、そのときに痛みが発現するというわけだ。また関節炎の場合は、文字通り、関節部分に炎症を起こしているのである。つまり、サメの軟骨に含まれるムコ多糖の血管の新生を抑える作用が、毛細血管の異常な成長を抑えて軟骨の破壊を防ぎ、抗炎症作用が関節炎の状をやわらげるのである。

さて、サメの軟骨の新生血管阻害作用をネズミを使った実験で確認した医師の貴重なデータがある。6匹のネズミのグループを三グループ作る。そして、それぞれにガンを植え付ける。このグループをサメの軟骨を投与する量によって、次のようにわけた。

  1. 何も与えない
  2. 体重1kgにつきサメの軟骨100mgを与える
  3. 体重1kgにつきサメの軟骨1000mgを与える

そして、5日後に血管の新生度を調べてみた。新生血管がたくさん作られたものを3点、新生血管が全体に広がっているものを2点、新生血管が少し見られるものを1点、新生血管が見られないものを0点として計算。
つまり、点数が低いほど新生血管が作られるのが阻害されているということになる。その結果、何も与えないグループは、5匹が3点、1匹が2点で計17点。100mg投与したグループは、3匹が3点、2匹が2点、1匹が1点で計14点。
1000mg投与したグループは、2匹が3点、1匹が2点、3匹が1点で計11点となった。明らかに、サメの軟骨を多く与えた方が新生血管を抑制するという結果が出たのである。
サメの軟骨は、アメリカ製のものよりも日本製の方が優秀であることも確認された。

鎮痛に関する実験でもよい結果が

次に鎮痛効果の実験である。2%の酢酸をネズミの胃袋に入れると、ネズミは腹痛を起こして首を左右に振るようになる。1分間にネズミが何回首を振るかをカウントすれば、痛みの度合いがわかる。これも、3グループにわけた。最初のグループが何も投与しないグループ。2つめが、サメの軟骨を投与したグループ。3つめが、麻薬以外では日本でもっとも強力な鎮痛剤インダシンである。結果は、何も投与しなかったグループは、10分間の首振り回数が31~32回プラスマイナス9.6、サメの軟骨を投与したクループは、21~22回プラスマイナス10.4、インダシンの場合は10.3回プラスマイナス5.6となった。
サメの軟骨には、日本で一番の鎮痛剤と比較しても、約半分の効果があることが認められたのである。つまり、どうしても我慢できない痛みがあったとき、それをなくすことはできなくても、かなり軽減できる作用がサメの軟骨にはあるということである。
それは、麻薬を使わずに痛みをコントロールできることにもつながってくる。末期のガン患者にとっては、いかにQOL(生活の質)を高く保つかが重要なテーマとなっているが、サメの軟骨はここでも大きな役割を果たせる可能性を秘めている。最後に、もうひとつ、サメの軟骨によって前立腺ガンから回復した症例を紹介したい。

Yさんは61歳。1年前に前立腺ガンの告知を受けた。症状としては、右肩を動かすと痛みが走ったり、右太ももが痛くて歩くのに不自由な感じがあったりした。医師の話によると、ガンの進行度合いは第三期。骨にも転移しており、延命治療としては、睾丸摘出手術があるということだった。
しかし、その後の抗ガン剤治療や、進行した際の再手術のことを考えると、どうしても摘出手術には踏み切れなかった。そこで、手術に代わる療法として性ホルモンを注射する内分泌療法を受けた。同時に、サメの軟骨、AHCC、ビタミン剤を飲む新免疫療法も受け、さらにプロポリスも飲んだという。その結果、骨への転移につきものの激痛もほとんどなく、食欲もじゅうぶんにあり、快適な生活を送っている。告知から2年がたち、一人旅を楽しんだりもしているという。今現在、ガンがどういう状態なのか、検査を受けてないようなのでよくわからないが、たとえガンがあっても、こうして快調な毎日を送れるなら幸せだと、Yさんは感じているようだ。

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