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その9 かびの生えたものに注意 『がんを防ぐための12カ条』

食前に十分にチェックする

日本では希ですが、外国産のピーナッツなどのナッツ類、とうもろこしに生えるかびの毒素アフラトキシンは強力な発がん物質です。
世界がん研究基金による「がん予防のための提言」では「かびた可能性のある食べ物を食べない」となっています。東洋人に肝臓がんが多い理由として、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのほかに、このアフラトキシンが関わっているのではないかと疑う学者もいるほどです。
外国のある地域で売られているピーナッツのほぼ50% に微量ながら発がん性のあるかびが認められたという報告もあります。古くなったものや表面が自つぼくなっているものを見つけたら、口にしないでおきましょう。
日本では、輸入の際に厳重にチェックされているので危険はありませんし、国産のピーナッツは安全です。なお、ある種のチーズ(カマンベールチーズやゴルゴンゾーラチーズなど) のように、わざとかびを生やした食品は心配ありません。

その9:かびの生えたものに注意(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその9は、「かびの生えたものに注意すること」です。食品に生えるカビの中には、有害な物質を作り出すものがあり、健康への悪影響が懸念されています。

特に問題とされるのが、アフラトキシンなどのカビ毒です。これらは穀物やナッツ類、保存状態の悪い食品などに発生することがあり、長期間摂取すると健康リスクを高める可能性があるとされています。

カビは見た目にわかる場合もありますが、食品内部に広がっていることもあるため、表面だけ取り除いても安全とは限りません。そのため、カビが生えた食品は基本的に食べないことが重要です。

食品を安全に保つためには、適切な保存方法も大切です。湿気を避ける、密閉容器を使う、冷蔵・冷凍保存を活用するなど、保存環境を整えることでカビの発生を防ぎやすくなります。

また、購入した食品は早めに使い切ることも重要です。長期間放置すると品質が劣化し、カビの発生リスクが高まる可能性があります。

日常生活では、清潔な調理環境を保つこともカビ対策につながります。まな板や調理器具の衛生管理も基本的なポイントです。

このように、「カビを避ける」というシンプルな習慣は、食品の安全性を保ち、健康維持の基本として重要とされています。

その8 焦げたものは避ける 『がんを防ぐための12カ条』

突然変異を引き起こす

肉や魚を焼いて焦がすと香ばしくおいしさが増す反面、焼き焦げた部分に変異原性物質(遺伝子を傷つける物質) が複数含まれることが確認されています。
焼き焦げに含まれる発がん物質は、調理温度が高く、調理時問が長いほど量が増え、とくに肉や魚を直火やフライパンで焼いて焦がした場合に多くできます。
また、でんぷんや糖(もちやせんべい) などの「おこげ」も変異を引き起こす原因となる物質が含まれています。世界がん研究基金の「がん予防のための提言」では「焦げたものを食べない。肉汁を焦がさない。直火で焼いた魚や肉、塩漬けや薫製の肉を控える」となっています。
しかし、焦げた魚や肉の1食分で口に入る発がん物質の量はわずかですし、焦げた部分だけを食べるわけではありませんから、それだけでがんが進行するわけではありません。よって、あまり神経質になる必要はありませんが、焦げた部分をたくさん食べないようにしましょう。

その8:焦げたものは避ける(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその8は、「焦げたものは避けること」です。食品を高温で焼きすぎたり、強く焦がしたりすると、有害物質が発生する可能性があるとされています。

特に肉や魚を直火で強く焼いた際には、焦げた部分にヘテロサイクリックアミン(HCA)や多環芳香族炭化水素(PAH)といった物質が生成されることが知られています。これらは長期的な摂取により健康リスクに関係する可能性が指摘されています。

そのため、調理の際には「焼きすぎない」「焦がさない」ことが重要です。網焼きやフライパン調理では火加減を調整し、適度な加熱を心がけることが推奨されます。

また、調理方法を工夫することも有効です。例えば、蒸す、煮る、茹でるといった調理法を取り入れることで、高温による焦げの発生を抑えることができます。

焦げた部分ができた場合は、できるだけ取り除いて食べることも一つの工夫とされています。ただし、過度に神経質になる必要はなく、日常的なバランスが大切です。

重要なのは、特定の食品だけでなく調理全体の習慣を見直すことです。さまざまな調理法を組み合わせることで、健康的な食生活につながります。

その7 塩辛いもの、熱いものは控える 『がんを防ぐための12カ条』

胃や食道をいたわる

日本人の代表的ながんに胃がんがあります。この胃がんに密接な関係があるとされているのが塩分の摂取です。日本人の疫学調査で、食塩摂取量が多い男性ほど胃がんのリスクが高いという研究結果も出ています。
食品中の塩分濃度が高いと胃壁を保護している粘膜が溶かされ、胃酸の働きが弱まり、がん化の下地ができてしまうのです。
1日に摂取する食塩の望ましい量は10g以下とされています。(世界がん研究基金による「がん予防のための提言」では「1日6g以下」)。
高血圧など生活習慣病予防においても、減塩は広く啓蒙されています。

血圧を上げない食事をする

また、熱い茶がゆを食べる地方に食道がんが多いという報告があります。食塩と同じく、熱いものはがんを発生させやすくしてしまいます。あつあつの料理はおいしいものですが、あまりに熱いものは少し冷ましてから食べましょう。

その7:塩辛いもの、熱いものは控える(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその7は、「塩辛いもの、熱いものを控えること」です。日常的な食習慣の中で刺激の強い食品をとりすぎることは、体への負担につながる可能性があるとされています。

塩辛い食品を多く摂取すると、胃の粘膜に刺激が加わりやすくなると考えられています。また、長期間にわたって高塩分の食生活が続くと、胃の健康に影響を与える可能性が指摘されています。

一方、非常に熱い飲食物も注意が必要です。高温の食べ物や飲み物は、口腔や食道の粘膜を繰り返し刺激することになり、負担が蓄積する可能性があるとされています。

そのため、食事は「適温で食べる」ことが重要です。熱すぎる場合は少し冷ましてから食べるなど、日常の小さな工夫が健康維持につながります。

また、塩分を控えるためには、だしや香辛料、酸味などを活用し、薄味でも満足できるようにすることが効果的です。味付けの工夫によって、無理なく減塩を続けることができます。

重要なのは、極端に避けることではなく、日常的に「少し控える」意識を持つことです。食習慣全体のバランスが健康維持には大切とされています。

その5 たばこは厳禁 『がんを防ぐための12カ条』

たばこと肺がんの関わりはよく指摘されていますが、たばこの煙は発がん物質のかたまりです。発がん物質のほか、その疑いのある物質を数十種、細胞のがん化促進物質を数百種も含んでいます。
たばこの煙は肺だけでなく、口、鼻、のどを通り、一部は唾液に溶け込んで食道を通ります。体内で代謝されて、尿中に排泄されるまで勝胱にもとどまっています。
たばこの害は肺だけでなく、口から入って排泄されるまでに通過するさまざまな臓器をがんの危険にさらしているのです。また、吸う本人だけでなく、周囲の人にも煙をまき散らし、発がんのリスクを高めてしまっています。
妻が吸わなくても夫が1日20本以上吸う場合、喫煙しない夫をもつ妻と比べて肺がんの死亡率が2倍も高いという報告もあります。
吸いはじめる年齢が低いほど肺がんにかかりやすいこともわかっています。乳幼児や未成年者の周囲、あるいは吸わない家族に対しても、場所を離れて吸う気配りが必要です。「がん予防のための提言」には「たばこを吸わない」ときっばりと善かれています。禁煙を心がけましょう。

その5:たばこは厳禁(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその5は、「たばこは厳禁」です。たばこはがんの最大のリスク要因のひとつとされており、健康への影響が強く指摘されています。

たばこの煙には多数の有害物質が含まれており、その中には発がん性が確認されている物質も存在します。これらの物質は体内に取り込まれることで細胞にダメージを与える可能性があります。

喫煙は肺がんだけでなく、口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなど、さまざまながんとの関連が報告されています。また、喫煙者本人だけでなく、周囲の人が煙を吸う受動喫煙も健康リスクになるとされています。

そのため、がん予防の観点では禁煙が非常に重要です。喫煙をやめることで、時間の経過とともに健康リスクが低下していくことも知られています。

また、禁煙はがん予防だけでなく、心疾患や呼吸器疾患のリスク低減にもつながるとされ、全身の健康維持に大きく関わります。

禁煙は早い段階で始めるほど効果が大きいとされており、生活習慣の中でも特に重要な改善項目のひとつです。

健康維持のためには、禁煙に加えて、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠など、総合的な生活習慣の改善が大切です。

その4 お酒は控えめに 『がんを防ぐための12カ条』

飲み過ぎはNG

アルコール(酒)の飲み過ぎは、肝臓だけでなく全身に悪影響をおよぼします。WHO(世界保健機関) の調査では、過度の飲酒は口腔がん、咽頭がん、食道がんと関係があるという報告がされています。
もちろん、アルコールの多量摂取と肝臓がんにも関係が認められています。世界がん研究基金による「がん予防のための提言」でも、「飲酒はすすめられない」となっています。お酒は極力控えましょう。
また、酒好きな人は食事やつまみを食べずにお酒だけを飲むことが多いので、栄養バランスが崩れやすく、がんになりやすい体を作る可能性もあります。さらに、飲酒時に喫煙すると悪い因子が相乗的に働いて、さらにリスクを高めてしまいます。いずれにせよ、お酒は適量を守り、強いお酒は水で割って飲むようにしましょう。
二日酔い、悪酔いを防ぐためにも水分摂取が重要です。

その4:お酒は控えめに(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその4は、「お酒は控えめにすること」です。アルコールの過剰摂取は、健康への負担を増やす可能性があるとされ、がん予防の観点でも重要なポイントとされています。

アルコールは体内で分解される過程でアセトアルデヒドという物質に変化します。この物質は細胞にダメージを与える可能性があるとされ、長期的な摂取は健康リスクにつながると考えられています。

特に、食道がん、肝臓がん、大腸がん、口腔がんなどとの関連が指摘されています。また、喫煙と飲酒が重なると、リスクがさらに高まる可能性があるとされています。

そのため、飲酒は「適量を守ること」が重要です。休肝日を設ける、飲む量を意識する、水を一緒に飲むなどの工夫が推奨されます。

また、空腹時の飲酒は体への負担が大きくなりやすいため、食事と一緒に摂ることもポイントです。ゆっくり飲むことも、過剰摂取を防ぐ工夫になります。

重要なのは、完全にやめることだけでなく、日常的に「飲みすぎない習慣」を意識することです。生活全体のバランスが健康維持には大切とされています。

その3 食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにする 『がんを防ぐための12カ条』

腹八分目が効果的

ラット(ねずみ) による実験で、満腹まで食べさせたグループと、食事量を60%ほどに制限したグループでは、制限をしたグループのほうが発がん率が低く、長生きだったというデータがあります。
また、米国民のがんに対する各種発がん要因の寄与率を推計した研究結果(ハーバード大学、1996年) によると、喫煙が30%、成人期の食事と肥満が30%となっています。さらに、世界がん研究基金の「がん予防のための提言」では「やせと肥満を避ける。成人期の体重増加を5也未満に抑える」としています。
よって、適正な体重の維持は、生活習慣病予防だけでなく、がん予防にも役立つということがわかります。
一方、いわゆる「中年太り」は自然な増加であるともいわれています。5〜10kg程度の増加は、もっと高齢になったときの貯金として考える事もできますが、それを超えているぶんは体重のコントロールが必要になってくるでしょう。

おいしい物も食べ過ぎないように

食事が高脂肪・高エネルギーの国では一部のがんが多く発生し、とくに問題とされているのが脂肪の量です。従来日本人女性の乳がん発症時期は、閉経前6に対して閉経後4 の割合でしたが、最近では5対5になり、アメリカ人女性の4対6に近づきつつあります。原因は閉経期が遅くなったこともありますが、動物性脂肪のとり過ぎが考えられます。
また、脂肪は大腸がん、前立腺がんなどの発生にも関連があることが指摘されています。世界がん研究基金による「がん予防のための提言」には、「高脂肪食品(とくに動物性脂肪) を避け、適量の植物油を使う」とあります。動物性食品に多く含まれる脂肪の過剰摂取は、さまざまながんの危険因子とされています。しかも、免疫細胞の働きを抑制し、発がんを誘発するともいわれています。
脂肪を多くとり過ぎると体重もオーバーしやすいので、適正な体重を維持するためにも注意しましょう。
一方、魚の脂肪成分であるDHA(ドコサヘキサエン酸) やIPA (イコサペンタエン酸、EPAとも) にはがんを抑える働きがあります。
肉や油脂を一切口にしないような極端なことをする必要はなく、とり過ぎにならない程度に食べましょう。

その3:食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにする(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその3は、「食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにすること」です。日常の食習慣の中で摂取エネルギーが過剰になると、健康への負担が大きくなる可能性があるとされています。

食べ過ぎが続くと、肥満につながりやすくなります。肥満は体内のホルモンバランスや代謝に影響を与える可能性があり、生活習慣病のリスクとも関係すると考えられています。

また、脂肪の摂りすぎにも注意が必要です。特に動物性脂肪を多く含む食事が続くと、栄養バランスが偏りやすくなるため、野菜や食物繊維を含む食品とのバランスが重要になります。

一方で、脂質はすべてが悪いわけではありません。青魚に含まれる不飽和脂肪酸や、植物油に含まれる良質な脂質は、体にとって必要な栄養素でもあります。そのため「量」と「質」の両方を意識することが大切です。

食べ過ぎを防ぐためには、ゆっくりよく噛んで食べることや、腹八分目を意識することが有効とされています。また、間食や夜遅い食事を控えることも重要です。

日々の食事は、主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせることが基本です。特定の食品に偏らない食生活が、健康維持につながります。

無理な制限ではなく、継続できる習慣として整えていくことが大切です。

その2 毎日変化の食生活 『がんを防ぐための12カ条』

ワンパターンにならないように変化のある食生活を

だれにでも特定の食品に対して好き嫌いがあるので、どうしても好きなものを多めに、あるいはくり返し食べる傾向があります。問題なのは度が過ぎてワンパターンな食事内容になってしまうことです。
食品中の発がん物質の濃度は一般的に低いのですが、同じ食品ばかり食べているとリスクが高まってしまいます。たとえば牧場で大量にわらびを食べた牛に、勝胱がんが発生して問題になりました。わらびは微量の発がん物質を含んでいますが、少量を時々食べるぐらいでは心配ありません。
しかし、毎日たくさんの量を食べ続けるのは避けたほうがよいでしょう。逆に、にんじんにはがん予防効果が高いとされるβカロテンなどのカロテン類が多いからといって、にんじん中心の食事にするのではなく、それ以外の緑黄色野菜からもカロテン類をとることが望ましいのです。
ほかの緑黄色野菜から、カロテン類以外の発がんを抑制する成分や健康増進に貢献する成分を得ることができ、それぞれの成分による体内での相乗効果も期待できるからです。
つまり、さまざまな食品を取り入れて変化に富んだ食事にすれば、同じ発がん物質を食べてしまう機会や量が減り、リスクが下がります。また、さまざまな栄養素を補給することもできるので、自然に栄養のバランスが取りやすくなります。食品やメニューに変化をもたせて、品数の豊富な食生活を心がけましょう。

食事を回転させてみる

毎日変化のある食事をするコツのひとつに「回転食」という食べ方があります。朝がハムエッグなら昼は豚肉のしょうが焼き、夕食はお刺身、というようにし、3日~1 週間以上のローテーションで同じメニューが重ならないようにする方法です。家庭で前日の残りを食べることはよくあることですが、まったく同じメニューにするのではなく、残り物に1〜2品を加えて同じ食品が重ならないようにするのがおすすめです。必然的に多品目を食べることになり、リスクを分散させることができるようになります。

その2:毎日変化のある食生活(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその2は、「毎日変化のある食生活を心がけること」です。特定の食品に偏らず、さまざまな食材を組み合わせることが健康維持の基本とされています。

同じ食品ばかりを食べ続けると、特定の栄養素に偏りやすくなり、栄養バランスが崩れる可能性があります。そのため、肉・魚・大豆製品・野菜・果物・海藻などをバランスよく取り入れることが重要です。

特に野菜は、色の異なるものを組み合わせることがポイントです。緑黄色野菜にはβ-カロテン、赤い野菜にはリコピン、紫の野菜にはポリフェノールなど、それぞれ異なる抗酸化成分が含まれています。

また、調理方法を変えることも「変化のある食生活」に含まれます。生、蒸す、煮る、焼くなどを組み合わせることで、同じ食材でも異なる栄養や風味を楽しむことができます。

さらに、主食も白米だけでなく、玄米や雑穀などを取り入れることで栄養バランスが向上します。食生活の幅を広げることが、健康維持につながります。

重要なのは、特別な食事を一時的に行うことではなく、日常的に多様な食品を取り入れる習慣を続けることです。

その1 バランスのとれた栄養 『がんを防ぐための12カ条』

ガン予防の第一歩は食事

世界各地の疫学(実際に起こつている病気や健康に関する事象を統計的に検討する)研究の結果、がんは国や地域によって多い種類と少ない種類との偏りが見られることが明らかになりました。
この格差の原因を追及した結果、ごく一部の地域を除いて、食生活が大きく問わっていることがわかってきたのです。さらに、国や地域によって起こる違いは人種の違いによるものではなく、食生活が影響していることを示すデータも出てきました。そこで世界がん研究基金と米国がん研究機問が、がん予防と生活習慣、とくに食生活について、世界中の研究をまとめ、報告書を作成しました。
その報告書は、食品や生活習慣と発がんとのリスクの関係を「確実」「おそらく確実」「可能性がある」の3段階に分けています。つまり、がん予防については「よい」「悪い」のふたつだけに分かれるのではなく、段階的な評価がされているのが現状なのです。その報告書によると、「確実」「おそらく確実」に発がんのリスクを低下させるものとして「野菜」「果物」があります。ほかに「食事からのカロテン類」「食事からのビタミンC」も一部のがんについて予防効果が認められています。
わざわざ「食事から」と書いてあるのは、通常の食事量の野菜や果物からとる程度の量という意味で、「サプリメントによって大量にとった場合は除く」ことを意味しています。

青食は要注意、 彩り豊かな食事がよい

調査や動物実験でわかってきました。日々食べている食品のなかには、がんを引
き起こす物質、がんを抑える物質の両方が含まれていることが明らかになっています。それらの成分や働きのすべては解明されていませんが、体内で複雑に作用しあって発がんを抑える効果をもたらしているのです。ですから、偏食や加工食品の食べ過ぎは栄養のアンバランスを招くだけでなく、発がんのリスクを高めてしまう原因になります。しかも現代的な食生活では野菜や果物が不足しがちです。いろいろな食品をとることで健康を増進し、がんを抑える働きをより高めましょう。

その1:バランスのとれた栄養(がんを防ぐための12カ条)

「がんを防ぐための12カ条」におけるその1は、「バランスのとれた栄養をとること」です。日々の食事の基本として、特定の食品に偏らず、多様な栄養素を組み合わせることが重要とされています。

主食・主菜・副菜をそろえた食事は、炭水化物・たんぱく質・脂質に加え、ビタミンやミネラル、食物繊維などをバランスよく摂取することにつながります。これにより、体の機能を正常に保つための基盤が整うと考えられています。

また、野菜や果物には抗酸化作用が期待されるビタミンやポリフェノールが含まれており、体内の酸化ストレスを抑える働きがあるとされています。これらを日常的に取り入れることが推奨されています。

一方で、肉や脂質、塩分、糖分の過剰摂取には注意が必要です。過不足のない食事を心がけることで、生活習慣病や健康リスクの低減につながる可能性があります。

重要なのは「完璧な食事」ではなく、継続できるバランスの良い食習慣です。毎日の積み重ねが、長期的な健康維持に影響すると考えられています。

がん予防の基本としても、特別な食品に頼るのではなく、日々の食事全体の質を高めることが大切です。